スイミングスクールのM&Aでは、会員と指導者に加え、プール設備を安全に運営し続けられるかを確認します。売上や在籍者数だけで価格を決めず、施設の更新、維持費、安全管理、引継ぎ後の授業体制を整理しましょう。

施設と運営を分けて棚卸しする

  • 施設:土地・建物の所有や賃貸借、プール・ろ過装置・給湯設備、修繕履歴、今後の更新計画。
  • 維持費:水道光熱費、薬剤、検査、清掃、設備保守。直近の異常値と平常時の費用を区別します。
  • 授業:コース別在籍、定員、稼働率、休会・退会、振替、残回数、指導者の配置。
  • 周辺業務:送迎、受付、監視、緊急連絡、保険、予約・進級管理システム。

安全・衛生の記録は、現物と合わせて確認する

水質検査、点検、事故・ヒヤリハット、緊急時の対応、監視体制、教育訓練の記録を整理します。厚生労働省は遊泳用プールの衛生基準を公開し、安全については文部科学省・国土交通省の指針を案内しています。厚生労働省の案内と、所在地の自治体の条例・窓口を確認してください。

買収により運営者が変わる際の手続きや届出、契約変更は、施設の種類と取引方法によって個別に確認します。点検記録が存在することだけで設備の健全性を判断せず、専門家による設備確認と更新見積りも検討します。

価格評価では、修繕と季節変動を織り込む

会費収入から、指導・監視・受付などの人件費、賃料、水道光熱費、設備維持費を区分し、引継ぎ後に必要な支出を確認します。大きな更新投資を先送りして利益が高く見えていないか、季節講習と通常授業の収益を混同していないかも確認します。

市場規模や他社の評価倍率だけでは自社の売却価格は決まりません。不動産を含めるか、借入・リース・保証をどう扱うか、どの費用を誰が負担するかを明確にして交渉します。

会員・保護者と指導者への引継ぎ

移行後のレッスン日程、コーチ、送迎、会費、振替と返金、連絡先を整理します。会員名簿、健康面の申告、緊急連絡先などは、利用目的と管理方法に配慮して引き継ぎます。従業員への説明は、雇用・委託の契約内容や必要な同意を専門家と確認したうえで進めます。

初回相談用の資料

校舎概要、決算・月次試算表、コース別在籍、施設図面、修繕計画、主要契約、職員体制、前受会費・未提供レッスンを一覧にします。最初から全資料を広く送らず、開示先と範囲を確認して準備を進めます。

取引全体の進め方は教育M&Aの基本と詳しい実務ガイド、支援の費用はサービス・料金をご覧ください。